橋を一本、渡れば香川県、さぬきうどんの街ですが・・・
岡山もまた、街中には、いわゆるセルフのうどん屋さんというのがとても多くって・・・。
おつゆも、やはり讃岐風、薄口だけど出しがしっかり利いて、関西人に受け入れ易い味です。
こちらに来て、不思議にもおそば屋さんに入ろうと思わなくなっているのは、単にそば屋さんが少ないというだけではなく、身体が要求しないからなんだ、と近頃は感じています。
東京、東北に住んでいたころは、お蕎麦屋さんへはちょくちょく足を運びました。
家でも、おそばは欠かせないメニューでした。
毎年、お正月の頃、三鷹の深大寺にお参りした折には、家族で思い思いのかけそばを食べるのが、欠かせない恒例行事でしたし・・・。
濃い口のしっかりとしたおつゆに、おそばは、身体を温めるには持ってこい・・・
やはり、おそばは、冬は結構冷える東京の味ですね。
一方、当地は、夏はとにかく暑く、冬も実に温暖・・・この気候に身体が馴染んだせいか、おそばをそれほど要求しないのです。
うどんの原料の小麦には、からだを冷やすカリウムが多く含まれていて、
つまり関西以西の温暖な土地では、陰性のうどんが好まれるということであり、
一方、おそばの原料のそば粉には、身体を温めるナトリウムが多く含まれていて、関東以北の土地では自然に、身体を温める陽性のおそばが好まれる、のですね。
うどんとそばにもこういう陰陽論があるというわけ。
で、どちらかと言えば、そば好きの我が家なんですが、関西以西のお蕎麦屋さん(というか、うどん屋さん)のおつゆって、メインのうどんに付随している感じで準備されてるせいか、おうどんと一緒の薄口のつゆなんです。
これは、とても不思議な味で、ちょっと絶句してしまう・・・感じですか。
でも、これは逆に、関西に、関東の濃い口おつゆのおそばを持ち込んでも、あまり受け入れられない、ということなんでしょう。