処女性重視の国

2004年9月9日

Category : 冬のソナタ

10数年程前にオ・ソンファ女史の書かれた著書の中にこういうくだりがあります。
 韓国では多くが見合い結婚だが、もし恋愛結婚をしたい場合は「初恋の人と結婚すること」が女性達の合言葉ともなる。なぜなら、まず恋愛しただけで、もはや処女を失ったものと判断されるからだ。
ソンファ女史は教養ある女性なのですが彼女自身陸軍の若い士官と恋愛経験があり、失恋。そのとき親の言った言葉は「なんてことだ。お前はもう結婚できないよ」だったのだそうである。
そういうことがあると親ももう家には置いておけない、「一族の恥だ」ということで家を出ていかざるを得なくなるのだそうです。最近はどうなのかは分かりませんが、「処女性の重視」は深刻なものがあるようです。
ソンファ女史はこういう経路で日本に留学されてきたのですね。そこで彼女が出会ったのは韓国から同じように日本に流出してきた女性達だったのです。「韓国クラブ」などで働く韓国人ホステス達。初恋失恋型のみならずそこには離婚女性が多くを占めているのです。
韓国では離婚はタブー。女性はどんなに理不尽な思いをしても離婚はできなくなっているのです。離婚したらもう社会はその女性を一般的な労働力としても認めてくれないし、再婚はありえないこと。実家には「一族の恥」ということで帰れない。ですからひたすら耐え忍ぶしかない結婚生活。
なんとも男性に都合よくできてる社会なんだ!という印象を持ちました。男性の浮気は当然。男性は外の女性に女を求め、妻には家を求める。そういう構図なんですね。ですから勢い女性は子供に意識が集中。猛烈な受験競争に親子で邁進していくのですね。つまりドラマ「真実w。の世界です。
男尊女卑の儒教精神の流れなんでしょうが、私には男性天国としか思えません。
それでも離婚という反旗の道を選んだ女性のユートピアが日本、「日本へ行こう」、ということになるのです。
そして韓国では長い反日政策で教育現場では「日本の男は鬼だ」と教えられきたのに、行ってみると意外にも心優しく、気も強くない働くことを何よりも愛する紳士的な男性の多いことに一様に驚くのだそうです。そこでお金持ちの日本人の「ダンナさんw。とでも巡り合えれば、生活も保障されるということです。
「そこで経済的に裕福になった彼女はどうすると思う?」と夫に質問。
「さあ~?韓国の実家の親を見返してやる?」w」w」w」夫
「違う違う。彼女達は韓国の親に家のひとつも買ってあげよう、と思うの」
「凄いな!」
やはり儒教の「孝」の精神なんですね。それはそれで立派なことですが、この生き方も日本社会への依存型。なんか納得いかないです。
「日本に生まれてよかったナ」w」w」w」私
韓国社会に息づく儒教精神も儒教色の強いキリスト教だって、男性ご都合主義じゃないのかな。
長い結婚生活で私が学んだものは、「いつでも離婚できる覚悟」です。若い頃には分からなかったけれど人間は所詮一人。女性は一人で生きていく心構えさえあれば、「執着」や「依存」から解き放たれますものね。
そのことに思い至れたのは夫の生き方そのものからでした。
でもそういう覚悟ができてからの方が仲はよくなったみたい。
離婚はできるだけ避けたいけれど、離れても女性が自立し、望めば新しい出逢いもできる社会の方が生き易いですね。
儒教道徳の偏った呪縛がない日本という国もなかなか魅力ある国家です。
ユジンが婚約者のサンヒョクにだって絶対に唇を許さなかったこと、ってこういうことだったのですね。近頃の韓国ではだいぶ自由になってきているのでしょうが、この恋がダメなら次の出逢いに期待すればいい、ということはあまり歓迎されないことなんでしょう。
こういう社会であることを知って韓国ドラマを観るとまた違う味わいが得られると思います。

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