「象徴的に言えば、村上龍の「13歳のハローワーク」を読んで、そうだ、自分も本当に好きなことを見つけて、それを仕事にしようと真に受けて、自分探しを始めた若者は、結果として・・・云々」
なるほど・・・。
詳細なデータも添えられてますから、納得はできるのですが・・・。
そのような「自由に自分らしく生きる」という人生観が、団塊ジュニアの「下」の層に多いことを、著者は危惧しています。
「自分らしく生きたい」のどこが悪いの?などと、最初は批判的にも感じましたが・・・。
「頑張っても頑張らなくても同じ「結果悪平等」社会より、頑張らない人が報われることがない格差社会の方を国民も選択し始めているようにも見える」
あくせく働くよりも、自分らしく生きたい、という考え方も一つの選択でしょうが、確かに、一部のあくせく派に依存した生き方ではありますね。
「自分らしく生きたい」という生き方は、生活面の困難さは覚悟の上、それもまた自己責任、やれるところまでとことんやってみるもの悪くはないと思います。
あとがきには、仕事が好きだから働く、嫌いだから働かない、に分かれる、と言う遺伝説まで出てきましたけど。
本来、自負心を持ち、期待に応えて、という生き方が得意な人も、自分本位、収入には恵まれずとも好きなことをして生きて行きたい、というのも、遺伝子というよりは「星環境」と、私などは思う部分もあります。
そういうことを素直に訴える若者が増えてきたことも、社会のうねりのような気もしていたのですが。
こういう生き方を社会悪だ、と決め付けるもの未来への警鐘であり、必要なことでしょうけども、「自分らしく生きたい」人も、社会への責任も果たすことができ、報われるようになっていくといいですね。
村上龍さんだって、「13歳の・・・」を、若者に理想論だけを書かれたわけではないのですから。
今は、あくせく型に、高さを勝ち取った人に、都合の良い社会制度ではあると思います。
ただ、名目は「自分らしく」であっても、決して真剣な個性追求ではなく、単に投げやり、やる気のなさ、人付き合いが嫌い、ネット依存症・・・というのは問題だとは思います。