デンマーク王国の磁器コレクション

2005年8月27日

Category : My Diary

オリエント美術館に着いたら、5分後に学芸員さんによる展示物の説明が始まるとのこと。
グッドタイミング!
磁器は、中国景徳鎮が発祥、その後、朝鮮半島に秘密の内に技術が流れ出し、その後、九州有田焼に繋がっていったというお話から・・・。
ヨーロッパでも、清潔感があり丈夫な中国の磁器の技術を求めていたのですが、なかなか手に入れられず、模造品が出回っていました。
その後、ヨーロッパ独自の磁器の技術を生み出して、ドイツマイセンなどで作り始められ・・・ロイヤルコペンハーゲンはその後。
デンマーク王室ご用達の磁器の生産が始まりました。
戦争では勝てない国家ですから、文化や学術を発展させようと、豊かな自然に恵まれていましたので、植物学が発達。
その植物図鑑「フローラ・ダニカ」を写し取るように、花、苔、きのこ、シダ、藻、などの植物をデザインした磁器が作られるようになります。
植物図鑑を原画にしてますから、根っこまで描かれているんですね。
娘は不思議がっていましたけど、根っこも全体のデザインに見事に調和してます。
一人の職人さんが絵付けをしていたといいますから、確かに個性は均一化してます。
その上、ひとつとして同じ絵は存在しないということですが、その数には驚きです。
それぞれの、微妙な色の発色温度も違うということで、部分によって、繰り返し焼かれたということ。
王室は金に糸目はつけず、手間を重視したのですね。
200年も前の磁器に描かれた絵は、今もなお、自然で、写実的な色合いと明瞭な輪郭が残されたままです。
その後、会社は沈みがちな時期を経て、100年後アーノルト・クローさんというデザイナーの入社によって、再び復活。
現在でもあまりにもポピュラーなブルーフルーテッドを定着、また開国後の日本文化の流出の影響で、日本を題材とした絵付けが盛んになります。
フローラ・ダニカの蓋付の器や「エンドウ豆の上のお姫様」など、立ち止まって、長い時間眺めてました。
何重にも重ねられたフワフワに座布団の上に座ったお姫様、可憐で、ちょっと神経質、でも気高い表情がよく描かれてました。

この記事を読んだ方はこの記事も読まれています

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください